50/50 フィフティ・フィフティ

ジョセフ・ゴードン=レヴィット主演の映画、観てきました。

新春から、闘病ものの映画ってどうかな〜と思いましたが、
最初から最後まで笑いっぱなし。だけど、すこし涙がにじみでる感じ。
後味がとてもさわやかな映画でした。


主人公のアダム(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は、27歳。
タバコも吸わず、お酒も飲まず、
交通事故で死ぬのがイヤだからと自動車の免許さえ持ってない。
朝からジョギングして、車も通ってないのに赤信号でちゃんと待つ、
そんなエコで真面目な人。
それなのに、ある日突然ガンを宣告されてしまう。
しかも、5年後の生存確率は50/50(フィフティ・フィフティ)。

友人のカイル(セス・ローゲン)は、アダムと真逆の人間で、
口を開けば、下ネタばかり。
あろうことか、親友のガンを引き合いに本屋の店員をナンパしたり、
アダムに「ガンをネタにナンパしよう!」とけしかけたりします。
彼のあまりの無神経さに、終盤アダムはぶちキレるのですが、
実はカイルの行動の裏には…というところが泣かせます。


私がキレそうになったのは、主人公の恋人のレイチェルの行動ですね。
もともと主人公とあまり上手く行ってなかったし、
看病が大変なこと、というのはわかるのですが、
浮気しているのに、自分を「いい人」に見せたいというのが嫌な感じでした。
特に、アダムの化学療法のあとレイチェルが病院のむかえに大幅に遅刻するシーンなど、
「アダム、もっと自分を大切にして!」と言いたくなりました。


主人公の彼女候補となる新米セラピストのキャサリンアナ・ケンドリック)は、
片づけが下手で、おまけにセラピストとしても未熟で、
セラピー場面でもどちらかというと患者のアダムが気をつかってて、
はっきり言って役立たず(笑)
でも一緒にいるうちに、どこか癒されていくんですね。
それはキャサリンが自分を防衛したり、飾ろうとしてないから。
「別れた恋人が誰かとデートしてないか、毎日のようにFacebookを見てしまう」
とぽろっと言ったりするのが可愛いな、と思いました。


しかし闘病ものなのに、こんなに笑っていいのか?というくらい、
ユーモアがちりばめられています。
これは、脚本家ウィル・レイサーの実体験を元にした話らしいのですが、
カイル役のセス・ローゲンは実際にウィルの友人で、本当にこういう態度だったそうです。


音楽もすごく良かった。
Radioheadの"High and Dry"の選曲が場面にぴたっとはまる感じだったし、
Bee Geesの"To Love Somebody"も良かったし、
エンドロールのPearl Jamの"Yellow Ledbetter" には、グッと来ました。


年の始まりに、
地に足をつけて、前向きに行こう!と思わせる映画に出会えて、
よかったです。